創作ノススメ【ProGymコラム#3】
創作は身近なもの
創作は芸術家やアーティストと呼ばれる人たちのもので、自分にはあまり縁のないことだと思っていませんか?
芸術は創作の一部でしかありません。エンターテイメント、新しい商品やサービス、新技術/新発明、全て創作です。創作とは、今までに無かったものを新たに作り出すことですが、何もないところから魔法のように突拍子もない何かを出現させることではありません。自分の感性やアイデアをもとに、今あるものに何かを加えたり組み合わせたりして、新たなものを作り出したら、それはもう立派な創作なのです。
私たちの身の回りには創作物があふれています。みなさんも特に意識はしていないかもしれませんが、普段から何かしらの創作をしていると思います。趣味の手芸やDIYなどはもちろん、服装をいつもと違うコーディネートにする、料理に隠し味を入れる、インテリアを自分好みに模様替えするなど、挙げていくとキリがありません。
人は誰でもより豊かな生活を求めます。生活をより豊かにするために、今までにないものを生み出そうとします。それは全ての生活の場面で起こります。多くの普通の人たちの小さな創作の積み重ねによって人類は大きな進化を遂げ、今のような豊かな文化と高度な文明を手に入れることができたのです。もしも創作が限られた才能のある人たちだけのものだったとしたら、人類全体としてここまで進化・普及することはなかったでしょう。
太古の昔から、創作は全ての人にとって身近で当たり前のことだったのです。
創作は楽しい
今のままでも豊かな生活を送れるのに、これ以上の豊かさを求める必要があるの?これだけ豊かになって何でも手に入る今の時代に、わざわざ自分で創る必要なんて無いんじゃない?と思われるかもしれません。
創作することは楽しいものです。必要に迫られて仕方なく創作しているのだったら、多くの人が何千年、何万年もの長きに渡って続けることはないでしょう。人類全体として見れば、人類の弛まぬ進化のため、豊かな生活のために創作を続けてきたと言うことになるのでしょうが、一人一人がそんなことを意識して創作してきたとは考えられません。楽しいからこそ、みんな創作をしてきたのです。プロとして成功しているアーティストであっても、最初から成功が約束されていたから、才能を持つ者としての使命感に駆られて、創作を始めたわけではないはずです。多くの場合、最初は好きだから楽しいから創作を始めたのでしょう。好きで楽しいことを続けていたら、結果として稼げるようになったということです。
創作の魅力は、自由にいろんな楽しみ方ができることです。誰かが決めたルールは存在しません。どんな材料や道具を使って、どんな表現手法で、何を表現するか、作品の評価基準、全て自分で決めることができます。道具を使いこなせるようになる楽しさ、形のない感情や考えていることを自分の力で工夫を重ねながら表現していく楽しさ、そして最大の醍醐味である自分が居なければ今ここに存在しなかった唯一無二のものを生み出す喜びなどがありますが、それ以外の楽しみ方も自分で創ってしまえばいいのです。 思いどおりに表現できた時の達成感は格別です。自分の作品に対しては強い愛着が湧いてきます。作品に投影された自分の感性や考え方に共感した仲間が周りに集まってくるかもしれません。仲間から刺激や協力を得て、自分の世界を無限に拡げることができるのです。
創作の始め方
・誰かが楽しそうにしているのを見て、自分もやりたいと思った。
・誰かの作品を見て、自分もこんなものを創りたいと思った。
・自分の欲しいものが無かったから、手に入らないから、自分で創ろうと思った。
創作を始めるきっかけは大方こんな感じだと思います。最初は、誰かがやっているところ、誰かの作品を見ることから始めればいいと思います。ネット上にはそんな動画がたくさん投稿されているので、探すのに困ることはありません。見ているだけでも面白いので、それで満足してしまうかもしれませんが、ここで終わると創作を始めたことにはなりません。
次に、道具を手に入れて誰かの作品を模倣します。最も汎用的で便利な道具はパソコンです。イラスト、音楽、アニメーション、ゲームなど、今やパソコンを使わずに創作活動をしている人の方が少数派です。初心者でも使える無料ソフトが豊富にありますし、ネット上にはソフト使用方法や作品の制作工程を紹介している動画がたくさん投稿されています。動画を見ながらいくつかの作品を模倣しているうちに、オリジナル作品の一部を自分なりにアレンジしたくなってくるでしょう。いわゆる二次創作というものですが、作品を身近な人たちだけで楽しむ分にはほぼ問題になることはないので、遠慮なくやってしまいましょう。不特定多数の目に触れると著作権侵害のリスクがあるので、SNSなどに投稿するのは避けるのが無難です。ここまででも十分に創作を楽しめますが、多くの人に見てもらうために次のステップに進みましょう。
いよいよ本格的にオリジナル作品を創ります。ここからは全てを自分で決めることになります。どの道具や材料を使うかについては、ここまでやってきた中でそれなりに知識を得ているはずですし、得意な道具や好きな材料を選ぶのはそう難しくはないでしょう。何を創るかは表現したいことによって自ずと決まるでしょう。問題は作品の中で何を表現するか、オリジナリティをどう表現するかが肝になります。このテーマ設定次第で完成した時の満足感と達成感が大きく違ってきます。しかし、ここで躊躇すると先へは進めません。前回のコラム「#2. やりたいことが見つからない」で言及したように、実行あるのみです。何度も試行錯誤を重ねる必要があると思いますが、納得のいく作品を仕上げられたら、創作の虜になってしまうと思います。
ProGymは「自由で楽しい創作クラブ」です。
創作は一人でするのも楽しいけど、仲間がいればもっと楽しくなる。
創作を通じて子どもたちの創造力を育む環境を提供します!
(文)白髪のおじさん
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